栄養

ダイエット中の間食どうする?薬剤師が選ぶ「太りにくいおやつ」と食べ方

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「ダイエット中なのに、どうしても間食がやめられない」——そんな自分を、責めていませんか。

最初にお伝えします。間食は「悪」ではありません。問題は、やめられないことではなく、選び方・量・タイミングが整っていないだけかもしれません。

間食を無理にゼロにしようとすると、強い空腹からのドカ食いや反動を招きやすいことが知られています。むしろ、間食と上手につき合うほうが、ダイエットは続けやすくなります。

この記事では、ダイエット中の間食を「太りにくくする」3つの軸——選び方・量・タイミング——で整理し、薬剤師が公的な情報をもとに解説します。毎日の食事そのものの選び方は、先に公開した食材編で扱いました。本記事はその続編として、「おやつをどうするか」に絞ってお話しします。

この記事で分かること

・なぜ「間食=悪」ではないのか(エネルギー収支の考え方)
・太りにくいおやつの選び方(早見表付き)
・1日の間食の目安量(200kcal)と、その体感
・食べるタイミングの工夫(夕方・夜・だらだら食い)
・血糖・人工甘味料・持病/服薬中の方の注意点
・今日からできる1つの「置き換え」

「間食=悪」ではない|まず知りたいダイエットと間食の大原則

間食をやめられない自分を責める前に、まず知っておきたい大原則があります。

体重が増えるのは、食事から摂る「摂取エネルギー」が、体を動かすことなどで使う「消費エネルギー」を上回るためです。上回った分が、体脂肪として蓄積されます(厚生労働省 e-ヘルスネット)。

ここで大事なのは、間食もこの「摂取エネルギー」の一部にすぎないということです。「間食したから太る」のではなく、「1日の総エネルギーが消費を上回れば太る」。問われているのは間食そのものの善し悪しではなく、全体のバランスの中でどう扱うか、なのです。

だからこそ、間食を完全に禁止する必要はありません。むしろ無理にゼロにすると、強い空腹からのドカ食いや我慢の反動で、かえって食べ過ぎがち。間食を賢く使えば、空腹をやわらげてダイエットを続けやすくできます。

つまりこの記事が目指すのは、「太らないおやつ」を探すことではありません。どんなおやつも、食べ過ぎれば摂取エネルギーは増えます。そうではなく、間食を「選び方・量・タイミング」の3つの軸で整える——これが、間食と上手につき合う方法です。

整えるポイント
① 選び方何を食べるか(高たんぱく・食物繊維・血糖がゆるやか・控えめ)
② 量どれだけ食べるか(1日200kcalを目安に)
③ タイミングいつ食べるか(夕方の空腹予防・夜遅くは避ける)
FIG.1 太りにくい間食の3つの軸(選び方・量・タイミング)

※「何を食べるか」だけでなく、量とタイミングがそろって初めて「太りにくい」食べ方になります。3つはセットです。

薬剤師として薬局でお話を伺っていると、「間食をやめなきゃと思うのに、やめられなくて落ち込む」という声をよく聞きます。でも、禁止より調整です。我慢でゼロにする方法は続きません。3つの軸を、1つずつ整えていきましょう。

なお、おやつ以前に「毎日の食事で何を選ぶか」から整えたい方は、食材編がそのまま役立ちます。

→ 関連記事:ダイエット中に取り入れたい食材5選|薬剤師が選ぶ「無理なく続く」食べ方

【軸①選び方】何を選ぶ?薬剤師が教える「太りにくいおやつ」4つの目安

「このお菓子なら太らない」ではなく、「こういう基準で選ぶと太りにくい」。商品名を1つずつ暗記するより、選ぶ基準で覚えるほうが、コンビニでもスーパーでもどこでも応用がきいて実用的です。

まずは早見表で、4つの目安をつかんでください。

選ぶ目安なぜ役立つかおやつの例
① たんぱく質が摂れる満腹感に関わると報告されている。不足しがちな「体の材料」を確保しやすいゆで卵、無糖ヨーグルト、チーズ、するめ、枝豆
② 食物繊維が摂れる噛む回数が増え満腹感を得やすい。食後血糖値の上昇がゆるやか干し芋、素焼きナッツ、果物、寒天・ところてん
③ 血糖の上がり方がゆるやか砂糖の多い菓子より、血糖値の急な上下を避けやすい高カカオチョコ、無糖・低糖のもの
④ エネルギー・砂糖・脂質が控えめ同じ満足感でも摂取エネルギーを抑えやすい。裏面表示で量がわかる成分表示を見て選ぶ習慣そのもの
FIG.2 「太りにくいおやつ」選び方の早見表

※どれも「食べれば痩せる」おやつではなく、「選び方の目安」です。どんなおやつも、量次第で摂取エネルギーは増えます。

① たんぱく質が摂れるもの(ゆで卵・無糖ヨーグルト・チーズ・するめ・枝豆など)

おやつというと甘いものを思い浮かべがちですが、たんぱく質が摂れるものも選択肢に入れてみてください。たんぱく質は満腹感を通じて体重調整に役割を果たすと報告されており(Westerterp, 2004)、腹持ちの面で間食に向いています。しかも、ダイエット中は食事の量が減るぶん、筋肉や肌などの「体の材料」になるたんぱく質まで不足しがち。間食でゆで卵や無糖ヨーグルトを選べば、おやつの時間が「不足しがちな栄養を補う時間」に変わります。たんぱく質をはじめ「不足しがちな栄養素」と疲れやすさの関係は、疲れやすい人に不足している栄養素|薬剤師が原因と対策を解説で詳しくまとめています。

ただし「たんぱく質なら食べれば痩せる」という意味ではなく、あくまで「満足感を保ちながら、体の材料を確保しやすいおやつ」です。

▶ 今日からの一歩:いつものスナック菓子やクッキーを、ゆで卵1個・無糖ヨーグルト1個・チーズ1個・するめ少量のどれかに替える。どれもコンビニで買えて、午後の小腹満たしにそのまま使えます。

② 食物繊維が摂れるもの(干し芋・素焼きナッツ・果物・寒天・ところてんなど)

食物繊維が摂れるおやつも、間食向きです。食物繊維には、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする働きが知られています(e-ヘルスネット)。

また、食物繊維の多い食品は噛む回数が自然と増えるため、満腹感を得やすいと考えられています。「我慢して減らす」のではなく、「満足感を保ちながら食べ過ぎを防ぎやすくする」のが食物繊維の持ち味です。寒天やところてんのように低カロリーでかさのあるものは、軽い空腹を満たすのに向いています。

ただし、注意がひとつ。素焼きナッツや干し芋は「ヘルシー」なイメージがありますが、エネルギーは決して低くありません。 たとえば素焼きアーモンドは100gで約600kcalにもなります(文部科学省 食品成分データベース)。「体に良さそうだから」とつい食べ過ぎれば、摂取エネルギーはかえって増えてしまいます。これらは「ひとつかみ」「数枚」と量を決めて食べるのが鉄則です(具体的な量は次の軸②で示します)。

▶ 今日からの一歩:素焼きナッツや干し芋は、袋ごと持ち歩かず、ひとつかみ・1〜2枚を小皿に出してから袋を閉じる。果物なら皮ごと食べられるものを選ぶと、噛む回数も食物繊維も増えます。

なお、食物繊維には、便のかさを増やしたり腸内の善玉菌を増やしたりと、腸内環境にかかわる働きも知られています(e-ヘルスネット)。腸内環境を整えることの意味と腸活の始め方は、別記事で詳しく解説しています。

→ 関連記事:腸内環境を整えるメリットとは?今日からできる腸活の始め方|薬剤師が解説

③ 血糖の上がり方がゆるやかなもの(高カカオチョコ・無糖/低糖のものなど)

砂糖がたっぷり入ったお菓子や甘い飲み物は、血糖値が上がりやすいことが知られています。一方、食物繊維の多いものや、いわゆる低GIの選択肢は、食後血糖値の上昇がゆるやかとされています(e-ヘルスネット)。GI(グリセミック・インデックス)とは、炭水化物を含む食品を食べたときの、食後血糖値の上がりやすさを数値にしたものです。

甘いものが欲しいときは、砂糖の多い菓子の代わりに、高カカオ(ハイカカオ)チョコレートや、無糖・低糖をうたうものを選ぶ、という手があります。

ただし、「血糖の上がり方がゆるやか=太らない」ではありません。 高カカオチョコは砂糖が控えめでも脂質が多く、エネルギーは決して低くありません。「低GIだから」「無糖だから」と量を増やせば、摂取エネルギーはそのぶん増えます。「同じ量なら血糖の上がり方がゆるやかな選択肢」と捉えてください。

▶ 今日からの一歩:高カカオチョコは、板や袋から直接ではなく、数片を取り分けてから食べる。「無糖・低糖」表示でも、1食分のエネルギーは裏面で確認するクセをつけましょう。

④ エネルギー・砂糖・脂質が控えめなもの/成分表示の見方

最後は、薬剤師らしい視点を1つ。おやつを選ぶときは、ぜひ裏面の「栄養成分表示」を見てください。

ポイントは、「1袋」ではなく「1食分(1包装あたり)」のエネルギーと糖質・脂質を見ること。大袋は「1袋=数食分」のことも多く、つい全部食べると表示の何倍にもなります。同じ「クッキー」でも商品でエネルギーは大きく違うので、表示を見比べる習慣だけで選び方は自然と変わります。

そしてもう1つ、見落としやすいのが飲み物です。甘いコーヒーやジュース、清涼飲料などの嗜好飲料も、れっきとした間食のうち。食事バランスガイドでも、お菓子と嗜好飲料はまとめて間食として扱われています(e-ヘルスネット)。「お菓子は我慢したのに、甘いカフェラテは毎日飲んでいた」は、よくある見落としです。

▶ 今日からの一歩:次にコンビニでおやつを手に取ったら、買う前に裏面のエネルギーと糖質を見るだけ。それで「なんとなく選ぶ」から「選んで選ぶ」に変わります。甘い飲み物も、まずは1杯を無糖・ブラックに置き換えるところから。

【軸②量】どれくらいが目安?間食は「1日200kcal」が基本

「太りにくいおやつを選んだから、いくら食べても大丈夫」——残念ながら、そうはいきません。軸①で選び方を整えたら、次は「どれだけ食べるか」です。

間食(お菓子・嗜好飲料)の1日の目安は、約200kcalとされています。これは「食事バランスガイド」が「楽しく適度に」というメッセージとともに示している目安です(厚生労働省 e-ヘルスネット/農林水産省)。

200kcalと言われてもピンと来ないかもしれません。具体的には、せんべいなら3〜4枚、ショートケーキなら小1個ほどが、だいたい200kcalにあたります(農林水産省)。下の表で、おやつ別の体感をつかんでください。

おやつ量の目安だいたいのエネルギー
素焼きアーモンドひとつかみ(約25g・10粒なら約60kcal)約150kcal
無糖ヨーグルト1個(100g)約56kcal
ゆで卵1個(約50g)約67kcal
干し芋1枚(約30g)約83kcal
するめ約20g約61kcal
チョコレート(ミルク)約4片(1片5g)約110kcal(高カカオ製品は脂質が多く、商品の表示で要確認)
せんべい3〜4枚約200kcal
ショートケーキ小1個約200kcal
FIG.3 間食「1日200kcal」の目安|おやつ別の早見イメージ

※エネルギー値は文部科学省 食品成分データベースおよび農林水産省の例をもとにした概算(100gあたりの公的値からの換算を含む)。商品やつかむ量で変わります。高カカオチョコは製品により脂質・エネルギーが異なるため、必ず商品の栄養成分表示で確認してください。

この表でわかるのは、同じ200kcalでも、中身でずいぶん体感が違うということです。せんべいなら3〜4枚であっという間ですが、ゆで卵や無糖ヨーグルトなら、いくつか組み合わせても200kcal以内に収まり、満足感も保ちやすくなります。

そしてもう1つ、量を守る実践的なコツが、「袋ごと」を避けることです。大袋から直接食べると、気づいたら完食していた、が起きがち。個包装のものを選ぶ、または食べる分だけ小皿に出してから袋を閉じる。これだけで、無意識の食べ過ぎをぐっと防げます。

最後に、大切な注意です。「200kcalまでなら太らない」という意味ではありません。 200kcalはあくまで目安であり、間食も1日の総エネルギー収支の一部としてカウントするものです(最初の大原則に戻ります)。「低カロリー」「ヘルシー」とうたう商品でも、食べ過ぎれば結果は同じです。e-ヘルスネットも、「1日の食事量を極端に減らさずにすむ量にとどめ、全体の食事のバランスを考えながら」と説明しています。間食だけ200kcal上乗せしてよい、ということではない点に注意してください。

【軸③タイミング】いつ食べる?夕方の空腹を防ぎ、夜遅くは避ける

3つ目の軸は、タイミング。同じおやつでも、いつ食べるかで役割が変わります。まず前向きな話から。夕方の間食は、「夕食のドカ食いを防ぐ」ために役立つことがあります。 仕事終わりに強い空腹を抱えて夕食に向かうと、つい食べ過ぎてしまいがちです。夕方に少し間食を入れておけば、空腹がやわらぎ、夕食を落ち着いて食べやすくなります。間食を「夕食前のクッション」として使うイメージです。

一方で、就寝直前や夜遅い間食は、できれば避けたいタイミングです。 ただし、その理由を「夜は脂肪をため込むから」と単純に説明するのは、少し正確ではありません。よく「夜は時計遺伝子(BMAL1)の働きで太る」といった話を見かけますが、ヒトでの体脂肪への影響はまだ研究段階で、断定できるものではありません。夜遅い間食を避けたい理由は、もっと確かな説明ができます。

1つ目に、日本人の成人では、夜遅い食事や夜食をとる人に肥満が多いという「関連」が報告されています。ただし多くは横断研究で、「夜食が太らせる」という因果関係まではまだ明確ではありません(日本健康教育学会誌・システマティックレビュー)。「夜は必ず太る」と決まっているわけではない、という慎重な受け止めが正確です。

2つ目に、夜遅い間食は、ふつう夕食に上乗せされるかたちになります。その分だけ1日の総エネルギーが増えやすく、エネルギー収支が崩れやすくなります。

3つ目に、夜は「テレビやスマホを見ながらだらだら食べる」になりやすい時間です。速食いや満腹まで食べる習慣がある人はBMIが高い傾向が報告されており、ゆっくりよく噛むことは肥満症診療ガイドラインでも行動療法のひとつ(咀嚼法)として位置づけられています。厚生労働省は、一口30回噛む「噛ミング30」も提唱しています(e-ヘルスネット)。だらだら食い・ながら食いは、この逆をいく食べ方です。

だから、タイミングのコツは「時間を決めて、量を決めて、1回で食べる」ことに尽きます。「15時なら太らない」といった魔法の時刻があるわけではなく、タイミングは夕食への上乗せやだらだら食いを防ぐための工夫——そう考えれば、今日からでも始められます。

▶ 今日からの一歩:夜中につい手が伸びてしまう人は、おやつを「夕方の決まった時間」に前倒しする。そして食べるときはスマホを置いて、よく噛む。「ながら」をやめるだけでも、量は自然と落ち着きます。

間食のここに注意|血糖・人工甘味料・持病/服薬中の方へ

太りにくい食べ方の話の最後に、薬剤師として伝えておきたい注意点をまとめます。

① 血糖値の急な上下と「だるさ・空腹感」

軸①でも触れたとおり、砂糖の多いお菓子や甘い飲み物は血糖値が上がりやすく、食物繊維の多いものや低GIの選択肢は上昇がゆるやかとされています(e-ヘルスネット)。

補足したいのは、血糖値が急に上がって急に下がると、かえってだるさや空腹感につながることがあるとも言われている点です。ただし、これは「血糖値スパイクで太る」「老化する」といった話とは分けて考えてください。そうした極端な言い方は、公的な情報で確かめられているわけではありません。お伝えしたいのは、「砂糖の多いものを一気に食べるより、血糖の上がり方がゆるやかな選択肢のほうが、間食後も穏やかに過ごしやすい」という、その程度の話です。

② 人工甘味料・「ゼロカロリー」「糖質オフ」表示との付き合い方

「ゼロカロリーの甘味料なら、いくら摂っても大丈夫」と思っていませんか。ここは、煽りも安心しすぎもせず、中立にお伝えします。

まず安全性について。人工甘味料は、国(食品安全委員会)が安全性を評価したうえで使用が認められています。日本人の実際の摂取量は許容一日摂取量(ADI)を大きく下回っており、通常の食生活で健康への悪影響が生じる懸念はないとされています(食品安全委員会)。ですから、「人工甘味料は危険だ」と過度に怖がる必要はありません。

一方で、ダイエットの観点では別の話があります。WHO(世界保健機関)は2023年、体重管理を目的に人工甘味料(非糖質甘味料)を使うことは推奨しないとする指針を出しました。ただし、これは「条件付き勧告」で、エビデンスはまだ確実とまでは言えない段階です。また、すでに糖尿病がある方は、この勧告の対象外とされています(WHO, 2023)。

まとめると、「カロリーゼロだから無制限に頼ってよい」わけでも、「甘味料に置き換えれば痩せる」わけでもありません。甘いものへの慣れを少しずつ見直し、水やお茶・無糖の選択肢も取り入れていく——これが、現時点での誠実な距離感だと考えています。「糖質オフ」「カロリーオフ」の表示も同じで、食べ過ぎれば摂取エネルギーは増えます。表示は「目安」であって「お守り」ではありません。

③ 持病がある方・服薬中の方・妊娠授乳中の方へ

ここは特に大切な部分です。糖尿病など食事療法中の方は、間食の量や内容を自己判断で変えず、主治医や管理栄養士に相談してください。 間食は血糖の管理に直接かかわり、一般向けの記事の内容がそのまま当てはまるとは限りません。

薬を服用中の方は、おやつに選ぶ食品にも注意が必要なことがあります。 たとえば、おやつに大豆製品を選ぶ場合。ワルファリン(血液を固まりにくくする薬)を服用中の方は、納豆を食べることができません。 納豆にはビタミンKが多いうえ、腸内でビタミンKをつくる納豆菌が含まれており、薬の効果を弱めてしまうためで、影響は数日続きます(PMDA)。これは納豆に特有の注意で、枝豆や豆腐など一般的な大豆製品まで同じように禁じられるわけではありませんが、量を大きく増やすときは念のため相談を。

また、果物をおやつにする場合、グレープフルーツは一部の薬(免疫抑制剤・高脂血症治療薬・降圧剤など)の効きに影響することがあります(PMDA)。気になる組み合わせがあれば、自己判断で急に増やさず、かかりつけの薬剤師に聞いてください。お薬手帳があれば、その場で確認できます。

なお、成長期のお子さんにとっての間食は、3度の食事でとりきれないエネルギーや栄養素を補う良い機会でもあります(e-ヘルスネット)。妊娠中・授乳中の方も含め、極端な間食制限はおすすめできません。

持病のある方・服薬中の方・妊娠授乳中の方は、間食やサプリメントの大きな変更前に、かかりつけ医・薬剤師・管理栄養士に相談してください。急な体重の増減や体調の変化があるときは、間食の工夫を続けるより先に、医療機関に相談しましょう。

まとめ|今日からできる「間食の置き換え」1つ

大袋から素焼きアーモンドをひとつかみだけ小皿に取り分け、無糖ヨーグルトとお茶を添えた手元——「袋ごと」ではなく「決めた量を小皿に」という間食の整え方のイメージ
全部やる必要はありません。今日の次のおやつで、表から「1つだけ」——まずは「小皿に取り分ける」から始めれば十分です。

ここまでをひとことでまとめると、間食は「やめる(引き算)」より「選び方・量・タイミングを整える(足し引きする)」。「太らないおやつ」を探すのではなく、つき合い方を整えるだけです。

そして、間食をやめようとして挫折してきた方ほど、この「整える」やり方のほうが続きます。とはいえ、ここまで読んで「やることが多い」と感じたかもしれません。大丈夫です。全部やる必要はありません。 下の表から、今日いちばん試しやすいものを1つだけ選ぶ。それで十分なスタートです。

いつもの間食置き換え・整え方期待できること
スナック菓子1袋素焼きナッツを小分け1袋+無糖ヨーグルトたんぱく質を確保しやすい。満足感を保ちやすい
甘いカフェラテブラック・無糖に+ゆで卵飲み物の砂糖を減らしつつ、たんぱく質をプラス
砂糖たっぷりの菓子高カカオチョコを数片(量を決めて)血糖の上がり方がゆるやかな選択肢になる
夜のアイス夕方の決まった時間におやつを前倒し夕食への上乗せ・夜のだらだら食いを防ぎやすい
袋ごと・ながら食い小皿に出して、時間と量を決めて1回で無意識の食べ過ぎを防ぎやすい
FIG.4 今日からできる「間食の置き換え」の例

※「期待できること」は続けやすさや満足感の目安であり、体重減少を保証するものではありません。どんなおやつも、量次第で摂取エネルギーは増えます。

選べたら、次の間食の時間に、その1つだけやってみてください。今日の午後でも、今夜でも構いません。うまくいったら、慣れてきた頃に2つ目を足せばいい。順番にこだわる必要もありません。

そして、できない日があっても、自分を責めなくて大丈夫です。間食をやめられないのは、あなたの意志が弱いからではありません。「ゼロより1つ」。 1日できなくても、次のおやつの時間にまた選び直せば、それで十分に続いています。エネルギー収支という大原則を片隅に置きつつ、まずは今日の「1つ」から始めていきましょう。

間食を整えられたら、次は毎日の食事も少しずつ。何を主食・主菜に選ぶかは、食材編で詳しく解説しています。

→ 関連記事:ダイエット中に取り入れたい食材5選|薬剤師が選ぶ「無理なく続く」食べ方

参考文献

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム)「お菓子や間食の取り入れ方」(間食(お菓子・嗜好飲料)の目安は1日200kcal、全体の食事バランスを考えてとる、成長期の間食は栄養補給の機会)
  2. 農林水産省「『食事バランスガイド』の適量と料理区分」(「楽しく適度に」1日200kcal程度を目安に、200kcalの具体例:せんべい3〜4枚・ショートケーキ小1個など)
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」(エネルギー収支の大原則:摂取が消費を上回った過剰分が体脂肪として蓄積/改善は摂取減・消費増が第一)
  4. 岩部万衣子ほか「日本人の成人と子どもにおける夜遅い食事及び夜食と肥満との関連―国内データベースを用いたシステマティックレビュー―」日本健康教育学会誌 25(3):151-167, 2017.(成人では夜遅い食事をとる人に肥満が多いなどの正の関連の報告があるが、多くは横断研究で因果は明確でない)
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「速食いと肥満の関係」(速食い・満腹まで食べる習慣とBMIの関連、咀嚼法(肥満症診療ガイドライン)、噛ミング30)
  6. 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」(便量増加・善玉菌増加(腸内環境)、生活習慣病の予防)
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病の食事」(GIの定義、食物繊維・低GI食品で食後血糖値の急な上昇を抑えられる)
  8. Westerterp KR. “Diet induced thermogenesis.” Nutrition & Metabolism (London). 2004;1:5.(たんぱく質と満腹感・体重調整の関与)
  9. 食品安全委員会「アスパルテームに関するQ&A」(ADI(許容一日摂取量)の範囲内の摂取で健康影響の懸念はない、日本人の推定摂取量はADIを大きく下回る)
  10. WHO “WHO advises not to use non-sugar sweeteners for weight control in newly released guideline”(2023-05-15)(体重管理目的での非糖質甘味料の使用は推奨しない/条件付き勧告/糖尿病既往者は対象外)
  11. 文部科学省食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年)(アーモンド・ヨーグルト・ゆで卵・干し芋・するめ・ミルクチョコレートの可食部100gあたりエネルギー)
  12. PMDA(医薬品医療機器総合機構)患者向けQ&A「ワルファリンと納豆・クロレラ・青汁」(ビタミンKによる作用減弱、間隔をあけても納豆は不可)
  13. PMDA 患者向けQ&A「グレープフルーツジュースを避けるべきくすり」(対象薬の例、吸収量増加、果肉も対象・ミカン/オレンジは影響しない)
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